
『返す前に』は、借りたレコードを返せないまま過ぎていく時間に、まだ名前をつけられない恋心を静かに重ねた夜のシティ・ポップ・バラード。針を落とす前に息を止める癖、B面の三曲目を何度も戻すこと、電車の窓を流れていく知らない街、改札の手前だけ同じ速度で歩いてくれる数歩――そんな小さな記憶が積み重なり、やがてレコードそのものよりも大切な感情の輪郭をつくっていく。
...查看更多 收合針を落とす前
息を止める癖
君に教わった
駅前の小さな店で
「たぶん君向き」と
君が差し出したレコード
薄い紙の匂いがした
帰りの電車の窓に
知らない町が流れて
借り物のくせにもう
私の部屋になじみすぎてる
B面の三曲目で
いつも針を戻してしまう
言葉にならない間奏が
君の黙り方に似ていた
「どうだった?」って
君が笑うたび
言えないことだけ
増えていった
返すはずのレコードを
まだ返せないまま
君に借りたのは音じゃなく
話せない時間だった
平気なふりで頷いて
感想だけを選ぶけど
再生が終わった部屋ほど
君のいない場所を
知らされてしまう
みんなで食べた帰り道
君はいつも少し後ろで
早口になった私の話
途中で切らずに聞いていた
名前を呼ぶ前に
一度だけ目を上げる癖
それだけでその日一日
ちゃんと生きてしまうんだ
改札の手前ではいつも
左と右へ別れるのに
あの数歩だけ
同じ速さにしてくれる
誰にでもそうだと
わかっているから
優しさひとつに
意味をつけるたび困る
君が落とした沈黙を
拾わず隣にいた夜から
私はもう
元の場所に戻れない
返すはずのレコードを
カバンの底にしまって
君に会う口実を
一日ずつ伸ばしてる
このまま黙っていれば
何も壊れない気もした
でも無音になったあとも
胸の奥で回る針を
止められない
「友達」っていう言葉は
ちょうどいい温度の部屋
寒くはないのに
窓を開けるのが怖い
でもここで息を潜めて
君の隣を歩くより
震えても今日の私を
君に渡してみたい
「好きです」だけじゃなく
次の休日のことも
まだ知らない歌のことも
できれば君と増やしたい
返すはずのレコードを
君の手に戻すとき
借りたままだった本当の声
一緒に渡せたなら
B面の最後の無音まで
君と聴けたなら
「友達」でいるために
隠してきた私より
少し自由になれる
針が上がる 小さな音
ジャケットの余白には
「返す前に
一緒に聴かない?」
消さなかった文字
レコードを抱え
約束より少し早く
君のいる改札へ
⚡S p o n t a n e o u s . ♫
medgyver
很棒的vocal和音樂流暢自然👍🎵☕